引継ぎ書テンプレート|基本項目と業務を引き継ぐ記入例
引継ぎ書には、「何のための業務か」「いつ行うか」「どの順番で進めるか」「資料はどこにあるか」「何が未完了か」「困ったときに誰へ確認するか」を書きます。作業名を並べるだけでなく、新担当が資料を開き、次の一件を進められる形にすることが大切です。
まずは一つの業務を選び、下のテンプレートを埋めてみてください。書いた人の説明なしで分からない箇所を、新担当と一緒に直していきます。
引継ぎ書は「業務手順」と「今の状況」を分ける
毎回使う手順と、今回だけの未完了事項は、分けて書くと更新しやすくなります。たとえば月次資料の更新方法は継続する手順ですが、「今月分は一部署の確認待ち」は今回の状況です。同じ段落へ混ぜると、翌月も確認待ちなのか判断しにくくなります。
業務マニュアルがすでにあるなら、引継ぎ書へ全文をコピーせず、参照する場所と補足を書く方法もあります。ただし、リンク先を受け手が開けるかは別に確認します。資料の存在と閲覧権限があることは、同じではありません。
日々の進捗を報告する目的なら、日報フォーマットの基本項目が合います。この記事では、担当が交代しても業務を続けるための情報に絞ります。
引継ぎ書に入れる基本項目
最初から全部の仕事を一枚に詰めず、業務ごとに同じ見出しを用意します。複数の業務がある場合は、業務名と次の期限を一覧にし、詳細へたどれる形にすると探しやすくなります。
| 項目 | 書く内容 | 受け手が確認すること |
|---|---|---|
| 基本情報 | 業務名、引継ぎ元・先、更新日、切替予定日 | どの業務の、いつの情報か |
| 目的と完了の形 | 何のために行い、何ができれば一件終了か | 作業の終わりを判断できるか |
| 時期と期限 | 実施頻度、締切、直近の対応日 | 次にいつ動く必要があるか |
| 手順と判断点 | 作業順、確認条件、例外時の対応 | 順番と判断の根拠が分かるか |
| 資料と保管場所 | 正本の場所、関連資料、更新するファイル | 必要な資料を開けるか |
| 現在の状況 | 完了分、未完了、確認待ち、次の行動 | どこから引き受けるか |
| 関係者と確認先 | 役割、連絡手段、判断を依頼する先 | 自分で決めない範囲が分かるか |
| 確認記録 | 説明日、試行した内容、疑問、残課題 | 受け手と何を確かめたか |
社内の指定様式がある場合は、その欄へ合わせます。書き手にしか分からない略語や「いつもの資料」という表現は、資料名や保管場所へ置き換えましょう。人名だけでなく担当の役割を添えると、再度担当が変わったときも確認先を探せます。
コピーして使える引継ぎ書テンプレート
次のひな形は、文書や表計算へ貼り付けて使えます。フォームで引継ぎ事項を集めるときも、同じ区分を入力項目にできます。業務に関係のない欄は減らしてください。Word形式のファイルを探す場合は、Microsoft公式の引き継ぎ書テンプレートも選択肢です。この記事では、本文をコピーして使うひな形を用意しています。
業務名:
引継ぎ元/引継ぎ先:
更新日/担当切替予定日:
1. 業務の目的・一件が終わる条件
2. 実施頻度・締切・直近の対応日
3. 作業手順と各段階の確認点
4. 正本資料・保管場所・更新対象
5. 現在の状況(完了/未完了/確認待ち)
6. 未完了事項ごとの次の行動・期限・担当
7. 例外時の連絡先・判断を依頼する先
8. 説明・試行で確認したこと/残っている疑問
※パスワード、秘密鍵、認証コードは記載しない
「手順」は番号順、「未完了事項」は案件ごとの行にすると、読み方がそろいます。特に締切があるものは、引継ぎ書の説明予定日を待たずに、対応する人と次の行動を決めます。担当切替予定日を書くだけで、その日までの対応責任が自動的に決まるわけではありません。
記入例:社内備品リストの月次更新
以下は書き方を示す架空の例です。部署名、日付、手順は編集上の設定で、実際の業務実績や、どの会社にも適用できる管理基準ではありません。
| 項目 | 架空の記入例 |
|---|---|
| 業務名・目的 | 社内備品リストの月次更新。設置場所と管理担当の変更を正本へ反映する |
| 引継ぎ元・先 | 総務担当Aから総務担当Bへ。11月20日に切替予定 |
| 頻度・次の期限 | 毎月一回。次回は11月25日までに各部署の確認結果を整理する予定 |
| 手順 | 指定の正本を確認→各部署へ変更有無を確認→差分を整理→判断が必要な項目を担当者へ確認→確認済みの変更を反映 |
| 資料 | 社内共有場所の「備品管理/正本」。編集対象の名前と場所を引継ぎ時に受け手と確認する |
| 現在の状況 | 営業部署の設置場所変更は確認済み。会議室の管理担当変更は確認待ち |
| 次の行動 | 11月18日に総務担当Aが会議室担当へ確認し、未回答なら担当Bへ状況と確認先を引き継ぐ |
| 判断の依頼先 | 記載が食い違うときは備品管理責任者へ確認し、推測で正本を書き換えない |
| 受け手の確認 | 担当Bが資料を開き、架空の変更一件で差分の整理まで試す。実際の正本更新は指定手順に従う |
この例で引き継ぐのは、月次更新という業務です。備品そのものの受け渡しや貸出受付とは区別します。貸出先や返却予定を集めたい場合は、備品貸出申請書の項目例へ進んでください。
未完了事項には、単に「確認中」と書かず、何を・誰に確認しているか、返答後に何をするかを添えます。回答がない場合の扱いも、担当者と決めておくと、新担当が一人で判断を抱えずに済みます。
曖昧な説明を、確かめられる文へ直す
引継ぎ書を読む人は、書いた人と同じ前提を持っているとは限りません。短くすることだけを優先せず、初めての人が迷う場所へ情報を足しましょう。
| 曖昧な書き方 | 具体化する方向 |
|---|---|
| 月末までに処理する | 対象月、提出先、締切日、休日等の扱いを確認して書く |
| 共有フォルダにある | 正本の場所と資料名、閲覧できるかの確認結果を書く |
| 不備があれば連絡する | 何を不備と判断し、誰へ、どの手段で確認するかを書く |
| 前任者へ聞く | 切替後の確認窓口と、連絡できる範囲を事前に決める |
| 全部終わっています | 何を、いつまで確認し、何が残っていないかを書く |
原因や理由が分からない手順もあります。分からない部分をもっともらしく埋めず、「判断理由は未確認」「この条件は責任者へ確認」と残します。旧担当の記憶だけで作った説明は、現行の手順や資料と照らしてください。
長い作業は、最初の数手を受け手がたどれるかを確かめます。実データを変えずに確認できる範囲から試し、更新や送信を伴う操作は担当者の確認を受けて進めます。読み合わせでうなずいたことと、自分で作業できたことを分けて記録しましょう。
資料の場所と、共有してはいけない情報を分ける
引継ぎ書には、必要な資料の場所やアクセスの申請先を載せられます。一方で、パスワード、秘密鍵、認証コードを本文や回答欄へ集める使い方は避けます。既存の社内ルールに沿って、認められた方法でアクセスを用意してください。
たとえば「管理用アカウントのパスワード」を欄にする代わりに、「利用するサービス名」「必要な権限」「申請する担当窓口」「閲覧確認の状況」を整理できます。必要な権限が決まっていない場合は、引継ぎ書を受け取った人が独断で付与範囲を広げないようにします。
リンク先が開かない場合も、個人のアカウントを共有して解決しようとせず、指定の担当へ確認します。資料の所有者、公開範囲、更新する人が変わるかも、本文のコピーとは別の作業として扱いましょう。
FORMLOVAで引継ぎ事項を同じ項目で集める
複数の担当者から引継ぎ事項を集めるなら、入力欄をそろえる方法があります。業務の目的、手順、期限、未完了事項、確認先を分けると、受け手が不足箇所を見つけやすくなります。全体の作り方はフォーム作成ガイドで確認できます。
対応するAIチャットへFORMLOVAを接続したら、次のように頼んで未公開の下書きを作れます。
業務の引継ぎ事項を集めるフォームを、未公開の下書きとして作ってください。業務名、目的、頻度と期限、手順、資料の場所、現在の状況、未完了事項の次の行動と担当、確認先、受け手の疑問を分けます。パスワードや認証コード、不要な個人情報を入力しない説明を付け、添付は使いません。公開・メール送信・権限変更は実行しないでください。
これは依頼文の例で、実際の業務移管の実行結果ではありません。下書きの項目をフォームの質問項目と入力形式と照らし、架空の一件を入力して、未完了事項と次の期限を区別できるか確認します。
業務手順と残課題を揃えた引継ぎフォームを下書きする
FORMLOVAの無料プランでは、フォームの作成・公開、回答収集、回答検索、基本分析、CSV・Excel出力を使えます。まずは引継ぎ事項の入力項目を未公開で確認できます。
登録後にメールを確認し、対応するAIチャットへFORMLOVAを接続して、上の依頼文を試してください。AIクライアントの条件と別途費用は提供元で確認します。
フォームへの提出は、情報を受け取る入口です。手順が正しいかの確認、資料へのアクセス準備、未完了案件の担当決定、引継ぎ完了の判断は、社内の担当者が進めます。自動リマインドやファイル添付は、ここで紹介する無料範囲には含めていません。

引継ぎ後に残った疑問と更新日を残す
引継ぎ書を渡した後は、受け手の疑問、追加で確認する人、回答予定をまとめます。疑問を解消したら、その回答が手順全体にも関係するのか、今回の案件だけの話なのかを確かめ、必要な箇所へ反映します。
資料の更新日と確認した人も残しましょう。古い説明を見つけたときに、どこへ問い合わせるか分かります。旧担当がいつまでも対応する前提にせず、切替後に質問を受ける窓口を関係者で決めておくことも大切です。
よくある質問
Excelと文書、フォームはどう使い分けますか?
項目を横に比べたい場合は表計算、詳しい手順を読む場合は文書、複数人から同じ項目を集めたい場合はフォームが選択肢になります。正本をどこに置き、どこを更新するかを先に決め、同じ情報が別々に古くならないようにします。
仕事が多く、すべて書き終わらない場合は?
次の期限が近い業務、止まると影響がある業務から、担当者と優先順位を決めます。未記載を「引継ぎ不要」と扱わず、まだ書けていない範囲と確認予定を共有してください。
引継ぎ書を送ったら完了でよいですか?
送付、受領、内容確認、必要なアクセスの準備、未完了事項の担当決定は別の段階です。何をもって完了にするかを社内で決め、受け手と確認した結果を残します。
執筆・確認情報
筆者はFORMLOVAを開発しています。2026年11月4日に現行の料金定義とフォーム作成・回答収集の仕様を確認しました。ひな形、文例、依頼文、図は独自の編集提案です。本記事の制作で実際の業務移管、アカウント共有、権限変更を行ったものではありません。社内の指定様式と情報管理・引継ぎの手順を優先してください。


